2 「荒巻義雄の世界」展 概要

名称 | 「荒巻義雄の世界」展 ―荒巻義雄の脳内宇宙都市型宇宙船ニュー・ユートピア・シティーに向かって |
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会期 | 2014年2月8日~3月23日(月曜休) |
会場 | 北海道立文学館特別展示室(札幌市中央区中島公園1番4号) |
開館時間 | 午前9時30分~午後5時 |
観覧料 | 一般600(480)円 高大生350(280)円 小中生250(200)円 ( )内は10人以上の団体料金 |
主催 | 北海道立文学館 指定管理者公益財団法人北海道文学館 北海道新聞社 「荒巻義雄の世界」展実行委員会 |
後援 | 札幌市 札幌市教育委員会 日本SF作家クラブ |
協力 | 徳間書店 テレビ北海道 |
入場者 | 1605人 |
図録 |
![]() 編集:北海道立文学館指定管理者公益財団法人北海道文学館「荒巻義雄の世界」展実行委員会 デザイン・イラストレーション:中野正一 図面:松橋常世 撮影:佐藤雅英 横谷恵二 印牧康典 印刷:(株)アイワード 発行:北海道立文学館指定管理者公益財団法人北海道文学館 価格:1000円 部数:400部 |
ポスタ| | 体裁:B2版カラー デザイン:中野正一 枚数:500枚 ※ポスターは、図書館、生涯学習施設など道内の公立施設、学校、書店、ギャラリーなどに配布、掲示した。 |
チラシ | 体裁:A4版カラー デザイン:中野正一 枚数:30000枚 ※チラシは、道内の各公立施設、学校、書店、ギャラリー、協力企業、札幌市内の協力飲食店などに配布したほか、日本SF大会などの会合、札幌市内の「ふれあい広場」ほかで配布した。 |
販売書籍 | 「荒巻義雄の世界」展図録 荒巻義雄著『ゴシック』 荒巻義雄著『もうひとりのわたし的スペキュラティヴ美術論』 荒巻義雄著『骸骨半島』 詩誌『饗宴』69号 SF同人誌『SFファンジン』復刊第3号(特集・荒巻義雄) 中野正一制作「NEWUTOPIACITY」ポストカード3種 ※書籍などは、展覧会場入り口手前の販売コーナーで販売された。 ![]() |
展覧会概要

(横谷恵二撮影)
1933年に小樽に生まれ、70年に短編『大いなる正午』で作家デビューして以来、精力的に創作・評論活動を続けてきた荒巻義雄の著作は、これまで実に180冊。SFをはじめ、伝奇ロマン、架空戦記、ミステリーなど、そのジャンルは多岐にわたり、近年は詩集『骸骨半島』で北海道新聞文学賞を受賞するなど、活躍の範囲は小説・評論以外にも及んでいる。
「荒巻義雄の世界」展の主な狙いは、このように広大な領域を闊歩する作家がどのようにつくられてきたのかを、多角的な視点から明らかにすること。そのために、文学展につきものの自筆原稿などの展示にとどまらず、パノラマ写真、ビデオ、CGアート、音声など、これまでになくさまざまのメディアを駆使して、荒巻義雄の作品世界とその成り立ちの全貌に迫った。
異色の展示を実現したのは、総合プロデューサーを務めた建築家の松橋常世をはじめ、建築家の木下泰男、平尾稔幸、プロダクト・デザイナーの中井孝二、古民家鑑定士の石川圭子らの実行委員グループと、北海道文学館で本展を担当した井内佳津恵学芸課長(当時)らだった。(展示の詳細については、第4章「展示の紹介」を参照)
会期中に、「荒巻義雄」の理解を一層深めるための多彩なイベントも同館で開催した。
開催初日の2月8日には、実行委員、同館関係者をはじめ多数のゲストが参加した開会式に続いて、荒巻による文芸講演会を開催。2月11日には、荒巻、巽孝之慶應義塾大教授、実行委員のSF研究家三浦祐嗣らSF関係のパネリスト6人によるパネル・ディスカッション、3月1日には松橋と荒巻による対談、3月15日には荒巻、松橋、中野、三浦によるギャラリー・ツアーを実施した。
また、美術にも造詣が深い荒巻の文学展にふさわしく、札幌市内の小学生が未来の世界をテーマに描いた絵画を集めて、ニュー・ユートピア絵画展「あなたがおとなになったとき」を開催し、会期中、同館1階ロビーに作品を展示した。(会期中の企画については、第5章「企画の紹介と詳細」を参照)
広報面でも、積雪が多く寒さの厳しい、1年で最も展覧会に向いていない時期に本展が開催されたこともあり、さまざまの手段を駆使して周知を図った。
2013年6月には、実行委員の中野正一が展覧会のホームページ「荒巻義雄のNEW UTOPIA CITY」をネット上に開設し、荒巻のインタビュー、『ビッグ・ウォーズ』シリーズのストーリー、CGアートなどを紹介したほか、荒巻が執筆中の『ビッグ・ウォーズ』銀河篇第1作『天翔る銀河遊牧民』の第1章を、電子本の形でアップした。
2014年1月には、ネット上に実行委員会のフェイスブックを開設。実行委員会取材班の石川と三浦が、本展終了までほぼ毎日、更新を続けた。フェイスブックへの訪問者は多い時には1日500人以上になり、HPとともに本展の周知に貢献した。
なお、FBは本展終了以降も存続し、随時更新が続けられている。
本展に先立ち、札幌市内で2件のプレイベントを企画した。2013年9月には、荒巻がオーナーを務める札幌時計台ギャラリーで「松橋常世・中野正一 NEW UTOPIA CITY」展、10月にはイベントスペース「OYOYO」でトークショー「荒巻義雄-新作を語る」を開いた。(プレイベントについては、第6章「プレイベントの紹介」を参照)
マスコミ関係では、主催に入った北海道新聞にたびたび記事が掲載された。
2013年10月11日夕刊文化面にトークショーの記事が掲載されたのを皮切りに、2014年1月16日夕刊文化面には「荒巻義雄の世界観 多角的に再現」という本展の予告記事、さらに開幕直前の2月7日夕刊カルチャープラス面には、見開きで「『荒巻義雄の世界』あす開幕」という記事が掲載された。
2月8日に本展が開幕すると、翌9日の北海道新聞朝刊社会面に「荒巻ワールド再現」という記事が掲載されたほか、8日夕方には、HBCとUHBがニュースで開幕を報じた。
会期中にも、2月21日の同紙夕刊文化面に「荒巻SF 原点に小樽も」という見出しで、パネル・ディスカッションのやり取りが掲載された。
また、会期中に北海道新聞に広告を掲載したほか、協力局のTVhでスポット広告を放映した。
こうしたさまざまの取り組みにもかかわらず、本展の入場者数は、企画の開催日と閉幕前の3連休を除いて、やや低迷した。展覧会には不利な開催時期であったことに加え、ソチ五輪と重なったこと、最寄りの地下鉄駅から会場へのアクセスが不便だったことなどが理由と考えられる。
それでも、本展は1605人の入場者を集め、北海道立文学館で開催された作家の文学展としては、まずまずの好評を得たと言えよう。
展覧会のみならず、会期中に会場外でさまざまの関連イベントを実施したことも、本展の特徴である。
会場となったのは、中島公園近くにある石川がオーナーのギャラリー「鴨々堂」。2月14日に開かれた中井による「デザインワークショップ」を皮切りに、3月22日まで計8回にわたり、本展実行委員らが、それぞれの専門分野や趣味を生かして、順次さまざまのイベントを開催した。
また、本展終了後も、木下と中野が、札幌時計台ギャラリーでそれぞれ個展を開いている。(関連イベントについては、第7章「関連イベントの紹介」を参照)
「荒巻義雄の世界」展は、北海道立文学館を会場とした本展にとどまらず、時間的にも、空間的にもさらに大きな広がりを有したイベントであった。
その評価については、本展をはじめとする多くのイベントに足を運んでくださった皆さんにお任せしたい。